個人事業主と法人事業主の違いはどこにある?

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個人事業主と法人事業主の違いはどこにある?

2020.01.18

この記事でわかるポイント

  • 個人事業主と法人の違いはここにあった !
  • 気軽に会社をつくることのできる個人事業主はお得感がある
  • 法人事業主と個人事業主のメリットとデメリットがよく分かる

よく名刺交換の場で、〇〇会社社長や〇〇会社代表などといった肩書きを見かけますが、やはりその人が一つの会社の経営者であるというステータスは、誰しもあこがれるものです。

しかし、一概に社長や代表者といっても、必ずしも大会社というわけではありません。また、同じ会社でも、個人事業主と法人事業主があり、それぞれにステータスが異なってくるようです。では、個人事業主と法人との違いは、いったいどのようなところにあるのでしょう。

起業のタイプ・個人事業主と法人とは

起業のタイプ・個人事業主と法人とは

起業のタイプ・個人事業主と法人とは

起業家は、自らが創業者になり、会社を興す人物を指すものですが、起業家のタイプには大きく分けて、個人事業主と法人とに分けることができます。一般の方には分かりづらい、この個人事業主と法人には、どのような違いがあるのでしょう。

個人事業主と法人設立には、様々な違いがありますが、大きく異なってくるのが責任のよりどころが異なっているというところです。まず、個人事業主の場合、経営者自らがすべての責任を負い、事業そのものが自己責任によって行われることです。

法人の場合は人間以外、つまり会社が法律上の権利義務の法人格と認められるもので、責任は事業主本人と切り離されて、法人がすべての責任を負うというところです。つまり、大きな負債を抱えてしまった場合、個人事業主はすべて自己責任となりますが、法人の場合は経営者個人の負債ではなく、法人としての負債義務が生じるわけです。

個人事業主と法人は、責任の拠りどころがそれぞれに、異なってくることがわかりました。個人事業主は、商店街や飲食店などの店主によくみられます。社会に出ている方ならお分かりのように、個人事業主と法人事業主を比べてみると、社会での信用性も随分と異なるようです。

例えば、会社経営を行うにあたり、事業資金というものが必ず必要となってきますが、個人事業主のように個人資本だけで成り立つ会社は、どうしても資金難に陥りやすいとされています。もちろん、会社の規模が小さな事もありますが、融資などを受ける際に、銀行の審査がかなり厳しいとされていることも現実です。

こうしてみると、法人事業者には、大きなメリットがあるように見えますが、もちろんデメリットといった点も存在しています。

個人事業主のメリットとデメリット

個人事業主とは、税務署に開業届などを提出する事により、誰でも手軽に事業を始められるものです。花屋や飲食店、商店街などにあるお店はほとんどがこうした形態で、経営者が代表となっているケースがほとんどです。

個人事業主のメリット第一は、何と言っても前述の通り、設立が非常に簡単だということが挙げられます。事業によって、許可を受けるタイプは異なりますが、全般的にみても特に資格を必要としないこともあり、個人的な制約がほとんどないからです。

さらに言えば、個人事業主の場合、経理面や税務関連に関して、業務運営も比較的簡単で、コストがあまりかからないと言えるでしょう。個人規模の事業の場合、売上的にもさほど大きなものではない為、わざわざ専門の税理士や経理に長けた人物を雇う必要もなく、最低限パソコンと会計ソフトなどがあれば事足りるからです。

もちろん、月ごとの帳簿管理は必要ですが、確定申告は1年に一回の出来事で、要領さえよければ一人ですべてをこなすことも可能だからです。ほかにも、個人事業主であるメリットは、次の通りいくつかあります。

個人事業主のメリット

  • 30万円未満の固定資産であれば即時償却の経費が可能
  • 自宅兼オフィスなど、光熱費や家賃の一部を経費にできる
  • 確定申告の際に業績より削除額の選択が可能
  • 家族への給与がある場合、必要経費にできる
  • 赤字の繰り越しが3年間可能
  • 勤めと兼任している場合、事業所得と給与所得の合算が可能
  • 屋号で口座管理が可能

以上のように、個人事業主である場合、会社に勤めているサラリーマンよりも、はるかに多くのメリットがみられます。ただし、複式簿記での基調が必要で、自分で確定申告する必要があるなどデメリットもあり、基本的には失業保険も出ません。

法人事業主のメリットとデメリット

個人事業主と比べてみると、法人事業主の場合、はるかに多くのメリットを受けることができます。特に個人よりも社会的信用度が高く見られる為、次にあげるようや様々なメリットがあります。

法人事業主のメリット

  • 個人事業主よりも社会的信頼度が高く見られる
  • 銀行などの金融機関からの融資が受けやすい
  • 会社として求人を行う為に優秀な人材を集めやすい
  • 赤字がある場合、繰り越し削除が可能である 

これらは、法人企業であるがゆえの、信頼/信用度が強く関係しています。しかし、これらのみならず次に記す通り、法人事業主のメリットは個人レベルで考えても、かなり大きなメリットを受けることができます。

  • 経営者に給与として報酬を与えることができる
  • 家族に給与を支払うことができる
  • 経営者の生命保険など、保険料の支払いを会社の経費にできる
  • 社宅を借りることが可能
  • 個人の財産を守ることができる

この中で経営者の給与ですが、個人事業主の場合、業績に応じた収益が収入となりますので、経営者の場合は給与といったものが存在しないことになります。また社宅の件ですが、企業では社員や役員の為に、会社の経費で社宅を造ることが可能です。

法人の場合は、役員の居住用自宅を会社名義で借りることにより、約50%ほどの家賃を社宅賃料として、会社の経費に割り当てる事が出来るわけです。また、赤字の繰り越しですが、個人でも繰り越しが可能ですが、欠損金の繰越控除は最高3年間までです。

法人の場合は9年間の繰り越しが可能ですので、税務的に考えてみても、法人事業主の方が圧倒的にメリットがあることがお分かりいただけるでしょう。

一方でデメリットは、会社の定款認証と、設立登記が必要となってきます。さらに、ち密な会計処理が必要となる為、どうしても会計事務所のサポートが必要となってきます。ほかにも、交際費の制限やコストがかかりやすいといったマイナス面があります。

副業とするか個人事業主となるかの分かれ道

企業によっては、社内規定により、副業を完全に禁じている場合がありますが、仕事に支障をきたさない程度であれば、副業が黙認されていることも多いと思います。

いわば、二足のわらじを履いている状態ですが、個人的な小規模な投資や家賃収入があるといった副業であれば、本業にほとんど差し障りのないものと言えます。

しかし、いったん個人事業主となってしまえば、会社勤めでの収入が得られなくなり、二の足を踏んでいる方も多いのではないでしょうか。

そこで、副業とするか個人事業主となるかを判断する為、心情的な部分ではなく、理論的な数値としてその分岐点となるものを考えてみましょう。まず、雇用者として、本業となる給与所得がある場合、一定の副収入は所得の合算として、確定申告が可能だということです。

そして、その副収入の額により課税対象となってきます。まず、年間所得20万円未満の場合は、申告する必要はありませんが20万円から50万円の場合、確定申告を行う必要があります。

次に、年間所得50万円から100万円となると、青色申告でのメリットが受けられるようになります。さらに、300万円を超えると、記帳が義務づけら、青色申告でのメリットが大きくなりますので、個人事業主になることにより、65万円の特別控除が受けられます。

また、年間所得が500万円を超えるあたりから、法人成りを視野に入れて事をお勧めします。このように、個人事業主の分岐点となるのが、およそ300万円を超える事が予想される頃です。

個人事業主になることにより、様々なメリットを受けることができますので、積極的に事業を展開することを考えてもよいでしょう。

収入があれば個人事業主になった方がよいのか ?

個人事業主になれば、いくつかの制約はありますが、必要経費にできる幅が広がり、税金を安く抑えられるといったメリットがあります。もちろん、務めている企業が認めていれば、本業として会社に勤めながら、副業としての個人事業主である事も可能だということです。

特に、光熱費や家賃の一部・30万円未満の固定資産であれば、即時償却の経費が可能なのは、かなり大きなメリットと言えるでしょう。さらに、個人事業主としての副業が、業績が思わしくないあるいは赤字となった場合でも、赤字の繰り越しが3年間可能な点も大きな魅力です。

というのも、毎年の確定申告を行う場合、事業所得と給与所得の合算が可能なので、大きな赤字を出してしまった場合でも、所得の合算として申告しますので、結局のところ税金が大幅に抑えられるといった利点があるからです。

ここで思いつくのは、副収入があれば個人事業主になった方が、メリットが大きくなるのではないかという点でしょう。確かに個人事業主としてのメリットは、計り知れないものがありますが、実は一概に有利とはいえない事実があります。

というのも、事業として行う為には、継続的な所得として成り立たなければならないからです。本業を持ち、副収入を得るだけであれば、会社を立ち上げ、本業を持つという事は、それだけ権利や義務が必要となり、責任感も必要となってきます。

一方で、別な考え方として、個人事業主も単なる副収入といった、雑収入の延長にあるだけのものと考えることもできます。基本的には、安く仕入れて、高く売るといった商売の基本は変わりませんので、副収入 →個人事業主 →法人成り、といった段階的なステップを踏むといった方法もあります。

個人事業主から法人化は可能なのか ?

経済ニュースや経済新聞などを読むと、「法人成り」といった言葉をたまに目にする事があります。この法人成りとは、個人事業主から法人事業主へと、事業を転換することを意味しています。

つまり、個人事業主から法人の事業主になるのは、一定の手続きさえ行っていれば、どなたでも法人化が可能だということです。個人事業主から、法人化するメリットはいくつか考えられます。

まず、個人事業主として、活動するよりも信用度が上がる為、銀行などの金融機関から融資を受けやすいことです。もちろん、それまでの実績も、必要となることは言うまでもありません。

そして、法人化した初年度は、消費税の免除が受けられるということです。新設の法人には、その事業年度の基準期間の課税売り上げがありませんので、結果的に納税義務が免除されるということになるわけです。

ただし注意点として、資本金が1000万円以上の場合、納税義務の免除はありません。

次に、法人成りのメリットとして、社会保険・労働保険が適用されるということです。労働保険とは、いわゆる雇用保険や労災保険といったもので、社会保険とは健康保険と厚生年金保険の事を指します。

これらの保険は、従業員が一人でもいれば、強制的に加入しなければなりませんが、事業者本人も被保険者として、保険給付の恩恵にあずかることができるわけです。

ただし、これらの保険はデメリットにもつながっていることを心しておかなければなりません。ご存じの方もいらっしゃるとは思いますが、従業員たちの保険料は、事業主が一定の割合で負担しなければいけないからです。また、労災保険の場合は、事業主が全額負担しなければなりません。

まとめ

個人事業主と法人事業主の違いは、かなり異なることがわかってきました。特に、法人と個人事業主のメリットとデメリットは大きく異なり、必ずしも良いところばかりではありません。

ただし、状況によっては、個人事業主になる事により、かなりのお得感が見込める為、副収入の額によっては検討してみるのもよいでしょう。

以上、個人事業主と法人事業主の違いはどこにある?…でした。

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